ダイエットと耳ツボ

 お正月明け、新年会でダイエットの話になりました。やはり食べ過ぎてしまいますよね。私はクリスマス、お正月と、お付き合いも少なく、いつもどおりすごしていたのであまり食べ過ぎることもありませんでした。でも寒くて運動不足だと思います。

 お話は食べすぎで困っている女性陣から、昨年試したダイエットの報告会のようになりました。確実に痩せた一人は、スポーツジムにある精密体脂肪計で毎月計りながら、インストラクターに励まされつつ成功したそうです。やはり有酸素運動を含めた消費カロリー増加は効果があります。彼女は体重が減っただけでなく、筋肉量が増えて肩こりが無くなった気がするなど、嬉しそうに話していました。
 彼女達は私が耳鍼をしている事を知っているのですが、私に相談すると延々一時間くらい続く栄養学の講義を聴かされた後、「なぁーんだ、普通のダイエットじゃない」と言います。仕方ないですね、私がやっているのは耳鍼治療であり、楽なダイエットではないですから。それからよく(○○というサプリメントは痩せるのか」という質問もされますが、そのたびにまた体重減少の原則をくどくど説明することになります。
 耳ツボなり耳鍼がいくら研究されても、痩せるメカニズムは摂食量減少です。なぜ摂食量が減るのかの研究が今なされているだけです。(解明されたとする研究もありますが、反対派を黙らせるには不十分です)そしてその摂食量減少効果は微々たるものです。食欲抑制効果はありますが、基本的にしんどい食事制限をすることにかわりはありません。逆に食事制限がしんどくない人には耳鍼は不要です。

 食は文化であり、生活の一部です。それが不適切であれば様々な障害になります。質の良し悪しは病気の原因、カロリーの過剰は肥満です。それが正されて初めて健康になるでしょうし、肥満も改善します。

 今まで太っていないのに痩せたいという方の相談を受けたときにははっきり断ってきました。とくに十代女性で、まだ成長段階なのに痩せたいという方には、必要な食欲に対して耳つぼは効かないし、効かせてはいけないという説明を長々とします。大体返事は返ってきませんが。女性の場合、必須脂肪酸不足からくるホルモン異常の症状は山ほどあります。栄養学を無視したダイエットはその原因になります。こうした病気になると鍼だの灸だので治せるとは思えません。原因が食にあるからです。勉強や就職で忙しく、またいろんな事を楽しむべき時期にわざわざ病気になることもないでしょう。

 昨年私に「よい耳ツボサロンの見つけ方」を質問した女性が、結局人柄が良いからという理由で鍼灸師でないサロン経営者の所に行ったそうです。そこでサプリメントを勧められたのですが、不用と分かっていても断りきれずに五万円分購入してしまったそうです。アロエべラにプロポリス・・・病気でもない若い人に、一体何の役に立つというのでしょうか?20代前半で五万円もあればもっと有効に使えたと思います。冒頭のダイエットに成功した私の友人は、スポーツジム代と週一回のインストラクター契約費を合わせても月に15.000円でした。その料金でラテンダンスやらピラテスなども楽しんで受講できるのです。

 サプリメントを買ってしまった女性には、一応クーリングオフが出来るかどうかを問い合わせる方法を教えました。こういうことがあるんだという彼女のはらった授業料が五万円だけで済むように願っています。