④耳鍼医学を学ぶ

 現在ノジェ派もしくはそれを基にした耳鍼療法は、ネットで調べた限りフランス、アメリカ、カナダ、イギリス、ドイツ、アルゼンチンに一見しっかりとしたカリキュラムのコースがあります。フランスのリヨンにはノジェ派の総本山があります。今は息子のRaphael.Nogierが代表です。これらの教育機関の定期的なコースでなくても年に何回か短期間講習があり、そういう学び方もあるようです。

 リヨンはもちろんでしょうが、アメリカのカリキュラムはしっかりしていそうです。 残念ながら私は耳鍼を勉強したいな、とおもったときには、スペイン、オーストリアにいたので、そこではこれらの機会に触れることができませんでした。ただし日本語と英語で出版されている書籍だけで大体全ての理論が理解できますし、最新の臨床例などもネット上の論文でいくつか見ることができます。

 私にとって幸いだったのは、そのころ臨床の場にいたのでさまざまなケースの患者さんに試すことができたことでした。患者さんのなかには私の体鍼治療よりも痛くないので喜んでいる方もいました。

 いずれ時間を作ってリヨンのコースに参加してみたいなとは思っています。というのはACR(ノジェ反射)の読み方が書籍だけでは解らず、臨床で使えるレベルでないからです。  日本語で入手できる情報を読み、また英語版の書籍、論文を読んで分析しましたが、ノジェ没後も耳鍼療法は変化しつつあります。特に海外の研究者は様々な角度から耳鍼の効果を分析し、大小さまざまなケーススタディを投稿し続けています。日本の研究者は耳鍼の肥満機序解明の研究で活躍しています。

 このブログでは国内外の耳鍼に関する情報を発信すると共に、それに対する私の考えや臨床報告などを掲載していきます。ブログの題名は当初「耳鍼で痩せるなどでたらめだ」と思っていて『痩せない耳ツボ』としようとしましたが、どうやら痩せるらしいことが分かってきたのでこのようにしました。私自身はダイエット希望の患者さんをあまり見ていないのですが、太り気味の身内・友人数名に試してみたら確かに効いたようです。(摂食量減のみ。体重減には至らず)また自分に試したときは只でさえ痩せ気味なのに摂食量・体重が減りました。効くには効くのでしょうが、巷の耳ツボダイエットビジネスのやり方には反対です。耳鍼は優れた鎮痛効果があり、鍼灸師が用いる治療法として優れています。また中医学の呪縛から離れて西洋医学の分野で多く研究されている鍼の面白い分野でもあります。その方面からもっと注目されてもいいのにと思います。

 ご覧になった皆様から間違いのご指摘や、皆様からの提案、報告などを頂き情報交換の場となれば幸いです。

(なぜ今「耳鍼」なのか? 終わり)